コンブにラッコ。

今日も波間から 世界を眺める 

【なまラッコラボ】Summer Frame 10

Summer Frame(サマーフレーム)は、夏の景色をフレームに切り取った、イラストとコトバのスクエア・アルバム。どこかの海、どこかの山、どこかの夏。思い出と幻想がひとつになって生まれた「Summer Frame」全15フレームを、どうぞごゆるりとお楽しみ下さい。

 

 

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行きたいとこならどこまでも。この夏、海デビューしたばかりのウミガメ三兄弟、トト、ニニ、レオ。ちいさい体で真っ先に飛び出すのが、元気いっぱい三男坊のレオ。右ヒレを「いっちばーん!」と振り上げて、一人レースを楽しんでいる。後にゆたーっと続くのは次男坊のニニ。穏やかな性格で急がない。しっかり者の長男トトは、最後尾で兄弟を見守る。

 

彼らはこれからどこへ行くのか。広い海には案内板も、地図も、もちろんナビもない。ただ動くばかりのヒレを動かして、波の間をドリフトしながら、危険のさなかを泳いで進む。けれど、ちっとも怖くない。大きくなるまで小さいだけさと、気にも留めずに遠泳旅行。張り切りすぎたらトトが叱って、S字に連なり、絆をつなぐ。焦らず行こう、楽しく行こう。

 

水面のあたたかい海から、海底のつめたい海まで、三匹は、浮いては潜って感じてみる。他の住人たちには気をつけて、ときどき大きいのには気をつけて。トト、ニニ、レオ。青い甲羅を背負った、青い世界の旅の一行。豪華な珊瑚に驚いて、薄暗い谷にはそっとバイバイ。太古の海のなごりさえ、彼らにとっては新しい。行けや、遊べや、ニューフェイス。

 

 

前回の「Summer Frame」↓↓

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本日のおまけ 『 思い出の家族旅行 』

ウミガメ三兄弟の旅も、いつかは「思い出の家族旅行」になるのだろう、ということで、はてなブログのお題に沿って、ラッコの思い出について書いてみたいと思う。

 

ちょうど今のお盆の時期、ラッコが小学生の頃までは、家族で両親の祖父母の家を訪ねるのが習わしだった。母方も父方も実家は同じ県にあり、ラッコ一家は転勤族で他県に住んでいた。だから夏休みになると、お盆と祖父母への顔見せかたがた、車で地元に帰省するのが一種の家族旅行だった。

 

高速道路と下道を使って、車で8時間ほどの道のり。ご存知の通り、お盆時期の道はどこも混んでいる。たとえ夜中に出たところで渋滞に出くわすことは避けられないのだが、それでも少しはマシだろうと、旅の始まりはだいたい夕方か夜だった(と思う)。

 

ラッコと姉は、いわゆるセダンの後部座席に乗っていた。子供たちが眠れるようにと、座席の足スペースには空気を詰めたクッションが置かれた。浮き輪に似た素材で出来ていて、膨らますと両座席の足スペースにぴったり収まるのだ。その平らになった場所を、簡易ベッドとしてお使いなさいということである。

 

車内ではこんなの食べてた↓↓

 

身長差と年の差が加味されてか、姉が後部座席を横向きに使い、ラッコがクッションベッドで横並びになっていた。狭々しいし寝にくいなと思ってはいたものの、こればかりはいかんともしようがない。高速のサービスエリアで飲み食いし、車内で飴など転がした後は、浮き輪素材の簡易ベッドで「ぼよぼよ」寝る他ないのだ。

 

揺れる車内に横たわり、姉と流行歌の替え歌など口ずさんでゲラゲラ笑う。ジャンケンやしりとりもしたかもしれない。そうしてやることがなくなって訪れる沈黙。寝転がったまま見上げた窓の向こうには月があった。じっと見ていると、走っても走っても、月は追いかけて来ていなくならない。きれいだな、ふしぎだなと思いながら眺めていた。

 

長く退屈な時間だった。けれど旅というのは、移動の過程も旅であることは間違いない。着いてしまえばバタバタと人に会い、あちこち出掛けて過ぎる時間が、移動の間だけは引き伸ばされてとても長かった。車の中でぎゅうぎゅうになって家族と過ごした時間。 思えばそれが、ラッコの「思い出の家族旅行」かもしれない。