コンブにラッコ。

今日も波間から 世界を眺める 

友桝飲料の「ドリアンサイダー」で、果物の王様と出会う。

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世界広しと言えど、ドリアンのサイダーを作ろうと思う人はそういないかもしれない。ドリアン。「果物の王様」と呼ばれる、強烈な香りを放つ南国のフルーツ。ラッコはシンガポールに行った時にその匂いだけ嗅いだことがある。道を歩いていて「うわ、すごい生ゴミの匂い」と思ったらドリアンだった。近くを通るだけでとても食べられないと思わせた、あの衝撃的な匂いのサイダー。そんなものがあるならば、もちろん飲んでみるに決まっている。

 

先日、同居人のなまこさんと買い物に出掛けた際、このドリアンサイダーなる炭酸飲料が、スイカサイダーとマンゴーサイダーと一緒に並んでいるのを見つけた。スイカにマンゴー。そろそろ夏も近いしサイダーもいいな、なんて思えるのはここまで。次のサイダーには、ドリアンて!と突っ込みを入れねばならない。そして突っ込みながらボトルを手に取り、裏を向けて確認せねばならない。一体誰がこんなサイダーを作ったのかと。

 

 

友桝飲料。ラベル裏にある製造者の項目にはそう書かれていた。佐賀県小城市の会社で、HPアドレスからすると「友桝」は「トモマス」と読むらしい。九州の佐賀県で、こんな挑戦的な飲み物が作られているとは、、もう一度ラベルを表に返すと、ドリアンのイラストの横には「美味爽快」の文字。そ、そうかい。ではその爽快さを味わってみるかい、と、普通のサイダーを選びたい気持ちを振り切りつつ買って帰った。

 

飲むより先に、まずは友桝飲料のウェブサイトに行ってみる。Aboutページを読むと、創業は明治35年。「小さなラムネ屋」から始まった飲料メーカーで、オリジナルの「スワンサイダー」、共同開発の「こどもびいる」で知られている。たしかにラッコも、飲んだことはないけれど、このふたつの炭酸飲料は見たことがある。他にも小豆島の「オリーブサイダー」や、鹿児島の「指宿温泉サイダー」など、各地の「地サイダー」作りを請け負っている会社らしい。

 

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友桝飲料ウェブサイト内の動画によると、ドリアンサイダーは無果汁ではあるものの、その独特の味を作り出すまでに、原料を作るフレーバーのメーカーと何度も試作を重ねたそうだ。そうして完成したのが「本物の毒ガスドリアン(社長さん談)」サイダー。毒ガスとはまた大胆な単語。なるほど、そういう認識で良いのか。これから語るサイダーの感想にも弾みがついたところで、その味やいかに。

 

ドリアンサイダー、いただきます。パシュッと緑の蓋を回して、回して、、って、ん!?これもうすごい、すごい匂い。。まだキャップも開けきらないうちに、ラッコの鼻には何やら刺激のある匂いが。あ、なんだろこれ、鼻を近づけるのが怖い。怖いから逆に思いきって開けよう。パリパリパリッ。蓋を外したところでグラスに注ぐ。思えば、なぜわざわざ香りの広がるワイングラスにしたものか。

 

友桝飲料のウェブサイト↓↓

www.tomomasu.co.jp

 

トクトクトクトク、シュワーッ。一見、何の変哲もない無色透明のサイダー。グラスの中を昇る炭酸の泡が涼しい。細く締まったワイングラスの首を持ち、なまこさんとカンパイ!今度こそ、ドリアンサイダーに鼻を近づける。おっほほほ、これは変な笑いも出るというもの。例えて言うなら、温泉タマゴの匂い。硫黄湧き立つ温泉街の煙の匂い。ど、どうしてフルーツからこんな匂いが。。

 

もうあまり覚えていないが、シンガポールで匂ったドリアンは、硫黄感より生ゴミ感(どんな感?)が強かった気がする。なまこさんも台湾でドリアンを匂ったらしいので比較してもらったところ、やはり「もうちょっと生々しい匂いだった」とのこと。それでも、この「そこらじゅうに広がるドリアン感」は真に迫っているのではなかろうか。これ、飲めるのか?いや、飲んでみるべし。

 

ごくり。あ、ううーん、飲める。うん、飲める飲める。味はノーマルな爽やかサイダー。甘すぎず、スワッとした炭酸が心地良い。が、最後に鼻に抜けるドドドリアン。キングオブフルーツはダテじゃない。飲んでみると「バナナと温泉タマゴに塩」のような香りに思えた。ドリアンは、匂いは強くとも味は美味しいと聞く。ドリアンサイダーも、味は美味しいサイダーだった。たくさんは飲めなくても、誰かとワイワイやる時に楽しい飲み物だと思う。

 

 

友桝飲料さん。なんと個性的なサイダーを作られたことか。今回試したドリアンサイダーは、おそらくかなり奇抜な方であり、オリジナルの「スワンサイダー」やご当地サイダーなどは、どれもクラシックで上品な空気を漂わせている。その幾つかは家の近くでも手に入りそうなので、ぜひ飲んでみたいと思う。友桝飲料の資料館や工場見学にも興味がある。まさかのドリアンを起点に、またひとつ世界が広がった。

 

追記。ドリアンサイダーの匂いが硫黄っぽいなと思ったら、ドリアンの匂いの元は硫黄化合物であるらしい。チーズの匂いを表すのに「高貴な足の匂い」的な表現があるそうだが、ドリアンもまた「高貴な○○の匂い」と言えそうだ。なんたって「キング」な果実ですから。