コンブにラッコ。

今日も波間から 世界を眺める 

たねのわ搾油所さんの「菜種油」を頂く。

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菜種油の頂き物をした。見たことのない細長い瓶。ターコイズブルーに黄色い菜の花をあしらったラベルがとても明るい。筆で書かれた「菜種油」の左右には、「薪釜焙煎」そして「国産原料100%使用」とある。うん、これだけでも、目の前に置かれた油が特別なものに思える。良い材料で、手をかけて作られていることは想像に難くない。

 

瓶をクルリと回して、今度は裏のラベルを見てみる。原材料は「食用なたね油(国産)」で、内容量は「450g」、そして製造者は「たねのわ搾油所」と書かれている。住所によれば、どうやら「長崎県平戸市」で作られたものらしい。長崎、平戸、、あの異国情緒の、オランダとか交際貿易とかの、、

 

歴史に関するおぼろげな記憶が頭を横切るものの、あまりにもおぼろげっていて何だか分からない。ただぼんやりと勝手なイメージは湧いた。歴史薫る土地の「搾油所」で作られた、薪釜焙煎の菜種油。歴史ばかりか、どことなくノスタルジックな薫りが漂う。ではちょっとそのノスタルジーを嗅いでみようと、蓋を開けて鼻を寄せる。

かつて、日本中の農村や町に小さな「搾油所」があり人々の日常の中に油を搾る光景がありました。私たちは平戸島で、そんな小さな搾油所を始めました。調味料として料理を劇的に彩ることのできる油。咲きみだれる花々の一つひとつから、一滴ずつ集めたような、昔ながらの油をお届けします。

たねのわ搾油所「菜種油」ラベルより引用

確かに。いや、何が「確かに」かと言うと「咲きみだれる花々の一つひとつから、一滴ずつ集めたような、昔ながらの油」というお話。瓶を開けたその瞬間、普段使っている油とは香りが全く違う。菜種油は「菜種(アブラナ)」という植物の種を搾って出来た油らしいのだが、まさに菜の花のような、野菜としての菜の花にも似た、甘くて香ばしい匂い。採れたての、生命力のある植物の匂いがする。

 

たねのわ搾油所さんのサイトを訪問したところ(ネコさんたちも可愛い)、2017年8月から、昔ながらの圧搾製法で菜種油を作られているらしい。記事を辿ると、搾油所の建物から手作業で作られていることが分かる。油の製法などについては全く無知なラッコだが、手元にある油はあの場所からやって来たのだなと、情報の一端に触れながら思いを馳せている。

 

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菜種油の鮮烈な香りを嗅いだ後は、お皿に出して直に味わってみる。油の色は、透明で、菜の花より少し濃いくらいの明るい黄色。指で触ってみると適度なとろみがある。では、いただきます。うーーん、緑の味!黄色い花が咲く植物に「緑の味」はおかしいだろうか。けれど食用の菜の花の茎のような、ブロッコリーのような、あるいは若いトウモロコシのような味。とてもフレッシュで美味しい。

 

オリーブオイルもそうであるように、これは一種の調味料、と思ったら、ラベルにもそのように書かれていた。サラダでもパスタでも炒め物でも、出来上がった料理の仕上げにかけると、香りを飛ばさずに菜種油の風味を楽しむことができそうだ。そのほか、菜種油は揚げ物にも合うと聞く。ラッコなぞは勿体ない気持ちが先行して、いっぺんに使う勇気が出ない。

 

www.racco.blue

 

菜の花に独特の甘味と苦味があるように、菜種油にも同じような「春野菜っぽさ」があるように感じる。これもまた植物から搾った油の証なのかもしれない。そういえば今年の春の終わりに、庭の枯れた菜の花を見て驚いた。あれ、菜の花に豆のサヤみたいなのが付いてる?と思ったのである。毎年見ているのに、なぜか菜の花の種については考えたことがなかった。そうか、あれが種なのかとようやく知ったのだった。

 

小さな種が油になるまで。作物が育つところから始まって、長くゆっくりとした行程があるのだろう。わが家の隣にある田んぼでも、農家さんが四季を巡って世話をして、ようやく秋に収穫を迎えている。そういう目に見えない過程を少しだけ想像して、米の一粒のように、油の一滴まで美味しく頂きたい。そう言いながら今まさに、菜種油をパンに浸して食べている。なんてゼイタク、そしてデリシャス。

 

「たねのわ搾油所」さん↓↓

nataneoil.tumblr.com

 

本日の一曲 『 The Rose 』

The Rose

The Rose

  • 手嶌葵
  • ヴォーカル
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

今回の記事を書いていたら、高畑勲監督の映画「おもひでぽろぽろ」を思い出した。たぶん映画に出てくる「紅花」から「紅花油」を連想したのだろう。このアニメーション映画のエンディングテーマの曲名が「愛は花、君はその種子」だった。そしてこの曲は元々、アメリカの映画「ローズ」の主題歌「The Rose」だった。本家ベット・ミドラーさんバージョンではなく、ここはジブリつながりの手嶌葵さんバージョンで。