コンブにラッコ。

今日も波間から 世界を眺める 

ひな祭りの雛ネコと、鏡餅で作るひなあられ。

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窓辺のネコタワーに、コブさんとモッツさんが並んで座っている。太陽のある日はよくこうして日向ぼっこしながら、外の景色や鳥なんかを眺めていらっしゃる。二人並んでいるのを見るだけでもかわいいのに、こんな風に丸っこく座っていたら、ラッコは慌てて外へ出て撮影に入るというものだ。

 

手足を内側に畳んだ香箱座り。もはや二人は団子のようでもある。実はあのモフモフの体の下で、ウズラの卵でも温めているのではなかろうか。日なたに座る「日なたネコ」たちは、天日干しした毛布のように柔らかく、顔を寄せると暖かい太陽の匂いがする。

 

今日は桃の節句、3月3日のひな祭り。古来、上巳(じょうし)と呼ばれるこの日には、邪気を払う力があるとされる桃や、水の清めの力を借りて厄災を払うという。ここはひとつ、わが家の「日なたネコ」に「雛ネコ」になっていただき、手作りのひなあられと桃のお酒で、うっかり厄を払いたいと思う。

 

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鏡を開かねば春も来ない。

そうなのだ。2月の七草粥の記事にも書いたが、今年の正月の鏡餅を、まさか3月まで持ち越すことになろうとは。ラッコも同居人のなまこさんも、日本の節句に全くついて行けていない状態である。少し波間にプカプカ浮かんでいたらこの始末だ。

 

1月11日の鏡開きを、3月3日のひな祭りで終わらせる。ゾロ目だし、なんか切りが良いじゃないか。しかも今年の鏡餅の上には、うちのお内裏さまとお雛さまが乗っている。これはもう今日を逃したら雰囲気的にも賞味期限的にも機を逃し兼ねない。よし、いざ鏡開きだ。

 

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鏡餅は気持ちで開く。

数年前、手作りの鏡餅を頂いたことがあった。正月の間はミカンを載せて飾り、いよいよ鏡開きの当日がやって来た。鏡「開き」と言うように、鏡餅は「切る」のではなく「開く」もの。カミさまにお供えした鏡餅を開き、それを食べることで祝福を頂くという行事なのだ。

 

ラッコとなまこさんにとって、その時が初めてのまともな鏡開きだった。ネットで由来を調べ、開き方を調べたら、切るのは縁起がよろしくないので、ハンマーか何かで割って開くか、手で千切るのがいいと言う。ラッコは自分の工具箱から木槌を持って来て、多少ヒビ割れた鏡餅を、失礼します!と上から叩いた。

 

コン!コンコンコン!、、割れない。全然割れない。これはもっと力を入れねばだ。なまこさんの(餅への)熱い視線を感じながら、ラッコは腕を振りかぶって餅を叩いた。カン!カンカン、カンカンカン!、、割れませんよ、これ。あまりの堅さにラッコは音を上げた。

 

結局、その年の鏡餅は力づくで千切った。餅のひび割れ部分に「目打ち」を当てて木槌で叩き、少し割れたところをメリメリメリッと引っ張って千切る。お供え物の祝福もどこへやらの所業である。鏡餅を開きながらラッコは思った。今後はナイフを使おう。きっとカミさまも大目に見て下さるはずと。

 

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そして餅は薄く切られる。

今年の鏡餅は市販の袋入りのタイプ。ひび割れもなく、まずハンマーでは割れない。どちらにせよ切らねばならないのなら、少し面白い食べ方をしてみよう。丁度なのか何なのか、もうすぐひな祭りだから「あられ」にするのもいいかもしれない。

 

そういう訳で、長く飾っていた鏡餅をついに開封した。餅形の容器の中には小餅が2つ入っていた。それぞれを半分に切り分けた後、1、2ミリの厚さに切った。以前家の餅で試したのだが、餅を揚げるのではなく炒める場合、厚めに切るとやや堅いあられに仕上がる。手作り餅を薄切りするのは結構難しいので、1ミリ幅にするなら市販の餅の方が簡単だと思う。

 

多少しっとりしている薄切りの餅を、トレーに並べて天日で干す。窓辺にふたつあるネコタワーのうち、あまり活用されていない方の最上段をお借りした。ここにはシイタケやトマトなども干させてもらっている。先月、唐辛子を外に干したら全て吹き飛んでいたので、それ以来少し警戒して、風のある日はタワーの最上段をお借りする。

 

トウガラシ事件はなまこさんの記事をどうぞ。

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餅があられに早変わり。

薄切り餅を2日ほど干す予定が、3日になり、4日になり、、いいかげんにせんかい!と餅の精からグータラぶりを叱られそうになったので、なまこ家の二人はカラカラに乾いたお餅さまを台所にお連れし、フライパンを持ち出した。放っておいた甲斐あってか、なかなか良い乾き具合である。

 

あられを作る方法は色々あるらしく、油で揚げて作る他、レンジ調理でも出来るらしい。うちではフライパンを使って、ごく少ない油で炒めることにした。その方が揚げるより胃に優しいということで。揚げて作ったことはないが、じっくり火を通す分、揚げるより炒める方が時間がかかると思われる。

 

これも話に聞いただけだが、レンジ調理のあられは炒めた時よりも膨らむようだった。今回は「あられっぽい」仕上がりにしたいと思い、フライパン調理を選んだ。作り方は本当に簡単で、薄く油を引いたフライパンの中で、餅があられになるまで弱火で炒めていくだけ。

 

始めのうち、餅が柔らかくなるとお互いにくっつくので、できるだけ離して配置しておくのが良いようだった。少し膨らんで硬くなり始めたら自然とくっつかなくなる。あとはフライパンを返しながら、キツネ色になるまで炒める。家が煎餅屋さんの匂いになる頃、ホカホカのあられが出来上がる。 最後に好みの加減で塩をパラリ。

 

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ひな祭りだから、ひなあられ。

こうしてあられは見事に完成し、同時に今年の鏡開きも終わった。長き道のりだった。そして、ひな祭りに間に合って良かった。特に何の変哲もない塩味のあられ。けれど今日が「ひな祭り」だから、これはきっと「ひなあられ」なのだ。

 

こんがりキツネ色のあられを口に入れる。ザクッ、サクッ。お、あられらしい歯ごたえがありながらも、軽めの食感。餅の味というよりは米の味に近く、塩が利いていて素朴で美味しい。手作り感のある香ばしさに安心する味だ。揚げずに炒めたのも、後味がさっぱりするので良かったかもしれない。

 

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カミさまに捧げるカミさまの餅。

なまこ家では毎度、何かを作ると「カミさまの分」が準備される。今回のあられも、ナゾの装飾と共にカミさまに献上した。お内裏さま方が描かれたピンクの袋は、なまこさんのご両親が送って下さった由緒正しき「ひなあられ」。なんだか、手作りのあられを「あられさま」にお供えしたような感じになった。

 

盃の水をお飲みになっているのは、白黒のモッツさん。飲むなー!と突っ込まれながらも気にせず召し上がる心の大きい御方だ。今日のうちのお雛さまなので、まあ良しとしよう。無病息災、これからもこの活発なお嬢さんに元気でいてほしいものである。もちろん、お内裏コブさんも。

 

鏡開きとひな祭り、二人並んですまし顔。やれやれ、これでわが家の春も本格的に幕開けだ。メンテナンスに出していた車も戻ったことだし、近くの高台まで、ちょっと春を探しに出かけてみよう。花の盛りは、餅のようには待ってくれない。

 

本日の一品 『 Dr.スランプ (ジャンプ・コミックス)』

「あられ」と聞くと、Dr.スランプのアラレちゃんを思い出す。ロボットなので頭がカポッと外れるのがそれなりに衝撃的だった。姉がアラレちゃんファンで、一度アラレちゃんショーを見に行った事がある。アラレちゃんからハンカチにサインを貰い、姉はそれを大事にしていた。着ぐるみに中の人はいない。あれはアラレちゃんである。

 

なまこさんによる「ひなまつり」イラスト

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