コンブにラッコ。

今日も波間から 世界を眺める 

「銀のロマンティック…わはは」なフィギュアスケート。

coffee-to-manga

 

冬季オリンピックが開催されている。開催地は韓国の平昌(ピョンチャン)、日本から応援に行かれている方も多くいらっしゃるのだろう。ラッコはといえば、家にテレビがないためか、インターネットでニュースを見たら冬季オリンピックが始まっていた、という感じでその開幕を知った。

 

2018年が冬のオリンピックイヤーであることを知らなかった訳ではないが、個人的には唐突に始まった印象のある平昌オリンピック。毎日、ニュースのトップ記事に登場するのを見ては、確かに開催されているのだなと実感する。

 

テレビのない生活をするラッコは、オリンピックを結果として知る形になる。誰かがこういう技を決めた、誰かがこういう結果を残した、誰かがこんなコメントをした、という事実だけが、頭の中に文字として入って来る。

 

もちろんそれでも「ほう!」や「なんと!」などの感嘆を示す言葉が出て来はするが、オリンピックを体験し、目撃し、感じている人々とは少し違っているだろう。せめてエッセンスだけでも感じられたらと、興味のある競技はYouTube動画でチェックしている。

 

スポーツはするより観る方が好きで、家にテレビのある頃は、冬のスポーツならフィギュアスケートを好んで観ていた。フィギュアスケートをスポーツと呼んでいいのか分からないが、音楽に合わせて優雅に表現し、あの薄いブレードの上でとてつもない技を繰り出す人々を見ていると、人間ってこんなことが出来るんだ、と他人事のように感心する自分がいる。

 

今は懐かしい2002年のソルトレイクシティオリンピックでは、ロシアのアレクセイ・ヤグディン選手の演技にシビれた。ショートプログラム「ウィンター」の美しさ、力強さ、フリースケーティング「仮面の男」の集中力と表現力。誰もがピークを持って来るのが難しい舞台に、数分間の世界に、圧倒的なエネルギーで存在し、演じ切る。唯々圧巻のスケーティングだった。

 

競技として参加する選手にとっては、実りある結果も重要なのだろう。ほとんどの場合、良い演技に良い結果がついて来るのは自然なことなのだから。一観賞者のラッコは、プログラムの中で、その選手がどんなエネルギーを放っているのか、どんな表情や動きを見せてくれるのかを、ただワクワクしながら眺めている。

 

ラッコのような目線で見るなら、競技会よりもアイスショーの方が楽しめるかもしれない。けれど、競技選手という短い時間の中で、オリンピックのような世界大会で、目に見える可能性のその先に手を伸ばし、時にはそれを超えていく人々の姿を見るのは、日常にはない特別な時間であることは間違いない。

 

と、リアルタイムで観賞できない人間がつい語ってしまった。そんな訳なので、今わが家にてリアルタイムで読むことの出来るフィギュアスケート漫画について語ってみる。

 

 

 

「銀のロマンティック…わはは」 川原 泉

 

ソルトレイクシティオリンピックの2002年より遥かに遡る、1986年の少女漫画作品。「銀のロマンティック」の「銀」は、スケートリンクを表す「銀盤」の銀。それがロマンティックなのだから、さぞかしロマンティックな話なのだろうと思われる。

 

ところがどっこい。タイトルの最後をよく見て頂きたい。「…わはは」である。「銀のロマンティック」という少女漫画には至極ふさわしいタイトルの終わりに、つい付けちゃったというような「わはは」の文字。川原 泉さんの描く漫画の雰囲気が、タイトルからも伝わってくるように思える。

 

全1巻の短編漫画なので、あまり内容には踏み込まないようにしたい。ごく軽く述べておくと、バレエとスピードスケートという畑違いの世界で生きてきた少女と青年が、ひょんなことからフィギュアスケートでペアを組むことになり、、出だしはこんな感じだ。

 

ずいぶん前に描かれた漫画なので、ルールや採点法はおそらく今とは違うし、時代的な発言などもたまにはあるかもしれない。それでもこの漫画には、消えることのない輝きと魅力がある。「わはは」に象徴されるように、登場人物たちのあっけらかんとした態度と笑い、そして思わず最後にほろっと来てしまう、明るいながらも切ない思い。

 

オリンピックの真っただ中である今と、儚い雪の降るこの季節だからこそ読みたくなる話だ。単行本の後半に収録されている短編「パセリを摘みに」もシンプルで笑える。家にある川原 泉さんの漫画は短編集ばかりなのだが、どこを何回開いても、いつも面白いから不思議である。もはや珠玉の名作集と言いたい。

 

わが家はテレビだけでなく、漫画や本もほとんど置いていない。川原漫画はそもそも同居人のなまこさんの所持品兼「バイブル」で、学生時代からずっと読み続けて来たものらしい。ラッコはなまこさんと暮らすようになってはじめてその存在を知り、やはり同じように何度も読み続けている。時代が変わっても本質が廃れない話ばかりだからだろう。

 

ともあれ、今を生きるアスリートたちにエールを送りつつ、ラッコは本棚の「銀のロマンティック…わはは」を時たま手に取りながら、冬季オリンピックシーズンを楽しませてもらいたいと思う。はてなブログの今週のお題「表彰状」は『あなたが「この人に表彰状をあげたい!」と思う人』とのことだったが、もうこの際、生きとし生ける全ての存在に、頑張っているで賞!の表彰状を。

 

 

なまこさんのフィギュアスケート記事1

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なまこさんのフィギュアスケート記事2

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ラッコの好きな「ほのぼの系アニメ」

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