コンブにラッコ。

今日も波間から 世界を眺める 

土鍋を使った甘酒(米麹)の作り方を眺める。

amazake-1

 

甘酒には2種類あると言う。ひとつは、酒粕から作られたアルコールを含んだ甘酒。もうひとつは、米と米麹で作られたアルコールを含まない甘酒。ラッコは長らく、前者の酒粕タイプを「甘酒」だと思っていて、後者の米麹タイプは存在すら知らなかった。

 

ある時、同居人のなまこさんが、甘酒は栄養豊富で体に優しく、家でも作れると何かで読んで興味を持った。それで、絶賛腸活中のラッコに「酵素をたくさん含んでて胃腸にも良いらしいから作ってみようか」とありがたい提案をしてくれた。 

 

それはぜひにと甘酒作りをお願いしたものの、甘党ではない自分が、あのごく甘い飲み物を飲めるのだろうかと内心ドキドキしていた。しかしいざ出来上がってみると、それまでのイメージとは全く違う甘酒。そう、なまこさんが作ってくれたのは、酒粕でなく、米麹を使った方の甘酒だったのだ。

 

確かに甘いけれど砂糖の甘さではない。米と米麹と水だけで作られた、自然な甘さの飲み物、というか食べ物。とても気に入って、今ではほぼ毎日、ヨーグルトやスムージーに入れて、あるいはそのままスプーンですくって甘酒を食している。

 

炊飯器のない家での甘酒作り

甘酒(米麹タイプ)を作るには、温度を約60度で8時間ほど保てる道具が必要らしい。家庭なら炊飯器の保温機能を使って作ることが出来る。しかし生憎、わが家には炊飯器がない。数年前に古くなった炊飯器を手放して以来、うちのご飯は「土鍋炊き」なのだ。

 

土鍋で米が炊けるなら、米つながりで、米麹の甘酒も土鍋で作れぬものか。そう考えたなまこさんは、早速ネット検索の門を叩き、いや、エンターキーを叩き、どうやら土鍋でも作れそうだという結論を引き出した。以下はラッコによる、なまこさんの甘酒作りのレポートである。

 

 

 

甘酒(米麹タイプ)の材料 

amazake-2

 

材料 米麹、米、水。 

 

どんぶり勘定で作る甘酒なので、正確な分量は記載しない。なまこさんによると、大抵使う米麹の袋の裏に、基本の分量が書いてあるそうだ。このレポートは、なまこさんがいかにして土鍋で甘酒を作っているのか、にフォーカスして話を進めていく。土鍋は三合炊き位の大きさがあった方が良いだろうとのこと。

 

白米を約15分、浸水させる。

amazake-3

 

まずは土鍋で「おかゆ」を作る下準備をする。土鍋に洗った米を入れ、米に対して約3倍の水を入れる。15分ほど浸水させたら準備完了。白黒ネコのモッツさんは、水が張ってある所は全て自分の水飲み場だと思っているらしい。もちろんすぐに水を替えて蓋をさせていただいた。

 

10分ほど炊いて、おかゆを作る。

amazake-4

 

浸水させたお米の入った土鍋を火にかける。土鍋の底に米が付いてしまうことがあるので、火を付けたらまめに鍋をかき混ぜる。沸騰したら、やはりかき混ぜながら、弱火で10分ほど炊く。段々と水の量が減り、柔らかいおかゆ状になっていく。

 

水分量と温度の調節をして、米麹を混ぜ込む。

amazake-5

 

おかゆになった所で冷水を足す。水を足すことには二つの意味合いがある。おかゆの温度を約60度に下げるためと、米麹に必要な水分を追加するため。なぜおかゆの温度を60度程にするかと言えば、50度から60度が、麹の酵素が活発に働く温度だから。酵素に米を糖化してもらう(酵素がデンプンを分解する)のに最適な温度という訳だ。

 

60度以上になると、今度は麹の酵素が死滅してしまうらしく、糖化が起こらなくなる。つまりデンプンが分解されず甘くならない。それゆえに、おかゆの温度管理は重要になる。50度から60度(60度以下)に冷やしてから、米麹を入れるようにする。

 

おかゆに加える水の量は、前述の通り、温度が60度に下がり、米麹に足りるだけの量となる。参考までに今回の分量で言えば、米1合分のおかゆに対して、200mlの冷水(ミネラルウォーター)を加えた。あとは温度と麹の量を見て、水分量を調節する。もし温度が下がりすぎたら(麹を入れる前に)軽く温めれば良い。

 

なまこさんは超感覚派な上、家には温度計がないので、重要なおかゆの温度管理は「人差し指」で行われている。なんでも「おかゆに指を入れて3秒もたない位」が丁度良い温度らしい。体を張った温度確認方法である。

 

amazake-6

 

適温になったおかゆに米麹を加えたら、しっかりと混ぜ込む。多少表面を平らに均して、土鍋に蓋をする。温かい鍋の中で、これから麹の酵素たちが米のデンプンを分解し、甘酒に変えてくれる。

 

土鍋を約8時間、保温する。

amazake-7

 

酵素が(50度から60度の温かさの中で)活動し続けられるよう、蓋をした土鍋をタオルや毛布でくるみ、8時間ほど保温する。うちではまず大判のタオルで包み、その上から薄手の毛布で包んでいる。とにかく熱を逃がさないように土鍋を巻ければ何でもいい。

 

amazake-8

 

なまこさんは、数時間毎に土鍋の温度を外側から触って確認し、少し下がりすぎかなと思ったら、弱火にかけて60度程に温め直している。温め直す回数は、その日の気温や室温、季節によっても変わってくると思われるが、ラッコの見る限り、少なくとも1回、多くて2回である。

 

もちろん温度計があれば測った方が正確だろう。しかしなまこさんのように勘の良い人なら、水の量も温度管理も保温時間も、感覚に任せて作って問題ないようだ。むしろ慣れてしまえばその方が、自分好みの甘酒になり、作る時も簡単かもしれない。

 

甘く柔らかくなったら、甘酒の完成!

amazake-9

 

途中で温度チェックをする時に食べてみると分かるが、麹がほぐれてくる程に、おかゆが甘くなっていく。最初は全く甘くないので、その変化には本当に驚く。温度管理や時間管理と言うとややこしく思えるけれど、要は60度を超えないように保温して、米が甘くなれば完成なのだ。

 

お米の味がほのかにする、甘く柔らかい食べ物。デンプンが分解されて出来たブドウ糖は体内での吸収が良く、アミノ酸、オリゴ糖や食物繊維も含まれていると聞くので、疲労回復になる上、お腹にも良さそうだ。一時の楽しみというよりは、日々コツコツと摂取して楽しみたい。

 

甘酒は冷凍保存もできるらしい。

amazake-10

 

今回使った乾燥米麹は量が多く、大きめのタッパーふたつ分の甘酒が出来た。火入れをしていない(完成後にひと煮立ちさせない)米麹の甘酒は、冷蔵庫に入れておいても発酵が進むため、一週間程で食べてしまった方がいいらしい。

 

甘酒は冷凍も可能とのことで、半分は冷凍庫で保存することにした。冷凍だと3ヶ月は保存がきくと言うが、できるだけ早く食べるに越したことはないし、おそらくその前に食べてしまうだろう。冷蔵庫で自然解凍して、また速やかに食べることにする。

 

まとめ

土鍋での甘酒作りをレポートして分かったことは、甘酒はとてもシンプルな材料なのに栄養豊富であることと、作る時は発酵の温度が重要であること。ラッコの目に見えているのが米と水と米麹だけでも、目に見えない世界では幾億の生きた存在が活動していることだろう。土鍋の中は、満員御礼の大賑わいなのだ。

 

そしてもうひとつ分かったことは、ラッコもなまこさんのように、もっと感覚的な部分を育てていきたいということ。「大体よ」とか「感覚で」とか「そこは適当に?」などの言葉がポンポン飛び出すなまこさんの世界。海に浮かんでいる生き物にしては杓子定規なところがあるラッコに、いつも自由さを教えてくれる。

 

そんななまこさんのブログ最新記事↓↓

www.namako.blue

 

本日の一品 『 土鍋(萬古焼 銀峯 花三島 8号 2-3人用) 』

土鍋はこの三島のイメージがある。小さい頃、家にあった土鍋の柄だからだろう。わが家では、冬の鍋はもちろん、普段のご飯炊き、最近では甘酒作りに重宝している。甘酒の発酵に使えるほど、温まると冷めにくい。鍋料理の時は、卓上ガスコンロがなくても鍋を温かく保ってくれる。重たいけれど、愛らしい。