コンブにラッコ。

今日も波間から 世界を眺める 

道路緊急ダイヤル(#9910)に電話した日。

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思いもしないようなことに、出くわすことがある。先日の晩、同居人のなまこさんが隣町で食事会があるというので、お暇なラッコが会場まで車で送って行った。迎えの時間まではしばらく間がある。一度家に帰ってご飯でも食べるかと、ラッコは自宅に向けて再び車を転がした。

 

この坂道を上って、左折、直進すれば、、家まであと1キロ弱といったところだろうか。おっと、道路に何かある。車のライトに照らされた道のすぐ先に、何やら小さな物体が見えた。反射的にスワッと避けながら、目の端で一瞬だけ確認した。

 

視力はそれほど良い方ではない。けれど、いつも家で見ているあのフォルムを見間違える訳はない。たぶん、いや、結構な確率で、車道に倒れていた小さな物体は、子ネコだった。子ネコはピクリとも動かずに横たわっていた。これは、夜の道路にひょっと飛び出して、車と当たってしまったパターンだ。あの感じでは、おそらくもう息は。。

 

これは困った。どうしたものか。近くに車を止める場所はない。目下お食事中のなまこさんに相談も出来ない。しかし、あのまま放置しては、もし息があってもなくても、子ネコは気の毒だし、他の車も避けて通ろうとするので危ない。ネコと暮らす者として、せめて何か出来ることはした方が良いだろう。

 

基本的に気の小さめなラッコ、車内で少し迷った末、一度自宅に車を置いて、歩いて現場に戻ってみることにした。うぅ、こんな時、なまこさんがいてくれたら、、などと心の中で泣き言を言いつつ、車に載せていたレスキューグッズを取り出す。

 

レスキューグッズというのは、単にタオルと手袋のセットなのだが、万が一(うちのコブさんのように)こちらに助けを求める迷いネコと出会っちゃった時や、(車の不調なども含め)こういった不測の事態に遭遇した時のため、いつも車に置いている緊急用グッズなのだ。

 

まさかこれを使う日が来ようとは。家に着いたラッコは、厚い軍手の上から使い捨てのゴム手袋をはめて、カバンにタオルを入れて、寒々しい夜の歩道をてくてく歩いた。まだ夕飯時ではあるものの、田舎に街灯は少なく、他に歩いている人もいない。ちょっと怖い。上着のフードを被って、懐中電灯で先を照らしながら進む。

 

いよいよ現場付近の角を曲がり、坂道を下る。確かこの辺り。車が来ないことを確認して懐中電灯で照らした車道に、やはり小さな何かが倒れていた。歩道から1mもない地点だ。ごくり。ここまで来たはいいが、最後はおそるおそるのへっぴり腰になるラッコ。歩道上で限界まで近づいてみる。

 

うん、子ネコで間違いない。まだ本当に小さい子ネコだ。詳しい記述は省くが、その状態からして、確実に息はない。つい夜道に飛び出した子ネコも、遭遇してしまった車も気の毒なことだ。ラッコは、再度、車が来ていないことをしっかり確認して一瞬車道に出た。そしてタオルでササッと子ネコを巻き、ガードレール下まで運んだ。

 

その場で命に対して出来ることはもうなくても、何度も踏まれるのはいたたまれなかった。安全面や衛生面で、本当はしない方がいいのかもしれないが、とりあえず脇に避けるくらいは出来そうな状況だったので、そうすることにした。茶色のタオルに包まれた子ネコに手を合わせて、小さな前足と握手して、ラッコは家に引き返した。

 

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さて、この後どうするか。それが問題である。子ネコの体は、まだガードレール下に置いたままなのだ。そして、ここでついに登場するのが「道路緊急ダイヤル(#9910)」だ。ラッコも最近知ったのだが、道路緊急ダイヤルとは、幹線道路の異状を24時間受け付ける、国土交通省の緊急通報制度らしい(交通事故は警察なので別)。

 

道路を利用する人間が、道路に穴があるとか、落石や倒木、亀裂があるなどを発見した時に通報できるダイヤルだそうだ。ネットで調べたところ、道路の落下物や、動物の亡骸にも対応しているようだったので、なまこさんを迎えに行った後、この道路緊急ダイヤルに電話をしてみた(ちなみに電話代は無料)。

 

今住んでいる所は地元ではないため、土地勘はない。だから前もってインターネットで現場の地図を出し、大体の住所を調べてから電話をかけた。それが功を奏したのか、対応してくれた方とのやりとりは、とてもスムーズだった。向こうからのゆっくりした明快な質問に、落ちついて(内心ドキドキで)答えていくだけで良い。

 

手順としては、#9910(#を忘れずに!)に電話すると、自動案内が出て、どの種類の道路なのか番号を押して答える。その後、繋がったオペレーターに、ネコの亡骸が道路にありました、と伝える。もちろん場所を尋ねられるので、住所や目標物、道路のどちら側か、などを質問に従って答えていく。

 

オペレーターに場所が伝われば、後は、名前と電話番号を伝えて終了。名前等を教えるのは、現場に向かった道路管理者が、場所が分からなかった時のためらしい。ラッコの場合、これで無事に報告終わり!と安心してお風呂に入ろうとしたところ、すぐに道路管理者の方から確認の電話がかかってきた。

 

あちらはご存知ないが、その時、ラッコは全裸で電話に応対していた。結局、もう一度場所を尋ねられた(オペレーターさんとのやりとりはどこへ?)ので、さっきの説明を繰り返して終わった。この辺の対応は各市町村で違うのだろう。余談だが、マッパのラッコの肩に、途中でなまこさんがタオルをかけてくれた。

 

道路緊急ダイヤル(#9910)、とても助かる制度だった。ネコを道路脇に避けるまでは出来ても、一体その先どうすればいいのか分からない。本当は道路脇に避けずとも、ただ連絡すれば良いのだろう。今回は、対処できそうだったからしたことで、やはり危険や衛生面を考えると、基本は報告するだけで十分という気がする。

 

ネコに関しては、共に暮らす以外に、少しばかり何かできれば、という気持ちがあるので、ちょっとしたことにせよ、行動できてよかった。外暮らしのネコの皆さん、どうぞ気をつけて日々を送って下さい。あぁびっくりした。

 

追記。次の日、気になったので現場を車で通ってみたら、子ネコの姿はもうなかった。迅速に対応してもらい、本当にありがたかった。

 

道路緊急ダイヤル(#9910)に関する国土交通省のページ 

www.mlit.go.jp

 

本日の一品 『 ジップロック フリーザーバッグ Mサイズ 45枚入 』

なぜここでジップロック。なぜなら、なまこ家では何でもジップロック保存するからであり、例の軍手やタオルのレスキューグッズも、ジップロックの袋に入れて車に常備しているからである。不器用なラッコでもスッと閉められるジッパー。なかなか丈夫で匂い移りも少なく、わが家では大変重宝している。