コンブにラッコ。

今日も波間から 世界を眺める 

いつか豆さんとコーヒータイムを。

coffee-tree

 

コーヒーの木。この魅惑的な名前の観葉植物に出会ったのは、都会のデパートにある植物店の一角だった。苗、苗、苗。まだ双葉が出たばかりの植物が集められたミニコーナーに「豆さん」はひっそりと瑞々しく立っていた。

 

もう十年くらい前になる。そこでラッコはコーヒーの木と初めて出会い、思わず家に連れて帰った。それはそれは小さな、3センチくらいの苗だった。最初に入っていた育苗ポットから植え替える時など、ラッコの不器用な手はふるふる震えた。

 

植え替えの際によく見ると、苗は一本ではなく、実は双葉がふた組、つまりニ本あることに気づいた。鉢はひとつしか買っていなかったので、少し間を空けて植えてみた。生まれたての葉っぱは柔らかく、表面はピカピカと光っていた。二人いるので「豆さんたち」と呼ぶことにした。

 

育ち盛りの植物はすくすくと伸びる。豆さんたちは二本とも無事に育ち、次々と鉢をバージョンアップさせながら大きくなった。ある段階で、各々別の鉢になり、発育の良い方が「大きい豆さん」、控えめな方が「小さい豆さん」という名前に落ち着いた。

 

コーヒーの木というのは、葉っぱが本当にきれいで、先の尖ったひらひらした葉が増えるたび、ラッコはその光沢と輝きをじっと眺めていた。ズボラな性格ゆえに、葉っぱが鈴なりとまではいかなかったが、少しひょろっとしながらも、窓辺で順調に大きくなっていた。

 

こうして三年ほど過ぎただろうか。この豆さんたちとの蜜月に終止符を打つ、思いもかけない出来事が起きた。それが、わが家のネコ、コブさんとの出会いである。詳細は「8月8日。世界猫の日、止まれの日。」で書いたので割愛するが、この日を境に、ラッコ(となまこさん)の植物生活は、さまざまな変化を余儀なくされることとなった。

 

なまこさんの最近のブログ記事でも語られているように、どうしても植物を噛んでしまうコブさんから、豆さんや他の植物たちを守るため、部屋の一角に、侵入不可能なビニールの温室を作ったり、外の直射日光の当たらない場所に温室を移し、朝晩開け閉めをして風通しを良くしたり。。

 

時にはプランターでの野菜づくりにもチャレンジしながら、なんとか植物とネコ、それぞれの生活スペースを作り、平和に暮らしていた、のだが、、ある夏の終わり、またもや思いもかけない出来事が起きた。

 

typhoon

 

夏の終わりといえば台風。植物さんたちは、天候が悪くなると車やトイレに移動させるのが常だったので、その日も、ネコにニャーニャー言われながら、なまこさんと二人でバケツリレーならぬ植物リレーを繰り返し、全員退避で、車の広いトランクへ。

 

やれやれ、これでひと安心。夜中に到来した台風は、そこそこの雨風を吹かせて去って行った。翌日は台風一過、空は気持ちよく晴れ渡った。さて、風も止んだし、昼ご飯を済ませたら、植物さんたちを外へ出しますか。

 

なまこ家の二人はのんきに食事を終え、よいしょとトランクを開ける。あれ?なんか、おかしい。あぁぁ...もしや...葉っぱが...しなしなに。。台風の後の爽やかな風も束の間、気温は急激に上昇し、わが愛しきマイカーの中は蒸し風呂状態になっていた。ほとんどが暑い地域の植物とはいえ、これは当然、強烈すぎた。

 

すぐに全員を運び出し、日陰で熱を冷ましたが、やはり打撃は大きかったらしい。皆、一様に葉色が悪くなり、段々と葉を落としていった。幾つかの鉢はしばらくして枯れてしまった。豆さんたちは、なんとか冬を越し、春の植え替えを迎え、細々と命をつないでいた。

 

結局、あの暑さで弱ってしまった事が響いて、豆さんたちは葉が付かなくなり、ついにお別れする日が来てしまった。それでも、八年近く豆さんたちのそばで過ごさせてもらって、ラッコは本当に幸せだった。あまり上手に育てられなくても、日々成長する姿を見せてもらえて幸せだった。

 

なまこ家の植物は、玄関にオリーブの木、トイレにテーブルヤシだけになった。きっともうあまりたくさんの植物は迎え入れないだろう。ネコたちとの共存を考えると、今のところ、植物に快適な居場所を提供することができないからだ。

 

それに、ラッコはまだまだ自分にも手がかかる。自分を育てて、心にもっと広いスペースができた時、環境が許すならば、コーヒーの木に、もう一度来てもらえたらと思う。あのピカピカ光る葉っぱの間に、コーヒー豆が生るのを見てみたい。

 

道は遠くとも、まだどこかで、豆さんたちに出会えることもあるだろう。その時はコーヒーで乾杯、と言ったら、ちょっとイヤな顔をされるかもしれない。

 

本日の一品 『 リッチェル ミニじょうろ 』

リッチェル ミニじょうろ 370×130×187H モスグリーン

リッチェル ミニじょうろ 370×130×187H モスグリーン

 

玄関に出しているオリーブの木に、夏は涼しい時間帯に、上からシャワシャワかけてあげる。葉っぱがうるおうと気持ちよさそうに思えるのは、自分が水浴びしたいだけだろうか。本体が軽いので、水を入れても大して重くならないし、シャワーヘッドを外しても使えるところが良い。

 

おまけ動画 『 ささくれネコ 』

コブさんだけでなく、モッツさんも、草は全力で食べたいタイプでした。